昼休みが終わり、午後の授業ガイダンスの始まりを知らせる鐘が鳴ったの聞いて、
自分の席に着こうと椅子に手をかけた時ー
「ねぇ!古谷くん今日の放課後、時間あったら部活見学しに行かない?」
背後からした声に振り返ると、
彼女がにこにことした面持ちで僕を見ていた。
「け、見学?別に・・・いいけど・・・。」
慎次と話した後だから、余計に彼女を直視できない恥ずかしさを覚えながらも
その誘いにぎこちなく応えた。
もしかして・・・・、ふたりだけで?
「ありがとう!あっ、さっき言ってた男バレ希望の子も一緒だから、HR終わったら
一緒にその子のクラスまで合流しに行こうね!」
小さく膨らませた期待は彼女の言葉で虚しくも消えてしまった。
いや、むしろその方がよかったんじゃないか。
いきなりこんな僕とふたりだけなんて、
彼女もきっと、嫌だろうし・・・。
「うん、わかった・・・。」
うん!と彼女は笑って僕の後ろの席に着き
隣の女子と楽しそうに会話を始めた。
