それでも僕は君といたい。



「そうとなれば、男らしいひかるになるためにまずは‘‘僕’’禁止な!」


「はぁ!?」

なんでそうなるんだよ!と付け足して思わず
ハンバーグを口に含んでる慎次の頬を掴んでしまった。


「おいっモゴッ、だってよ、高校生だぞ僕はもう卒業しなさい!」


いやそんなの急に変えられるわけないだろ。
15年間僕で生きてきたんだから・・・。


「無理だ・・・・」


慎次の頬から手を放して、俯いた。


「おやおや~確か乃李ちゃんは男前な感じがタイプだった気がするな~」


「お、おれ!!」


ニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべる慎次に
少し悔しさを覚えたせいか勢い余って僕はしどろもどろに言ってしまった。


「お前ってやつは本当に素直だな~かわいいやつめ」


こいつ・・・。

やっぱり僕にはおれなんて違和感しかないし。
言わない方がよかった・・・。


「そんな顔すんなよ、お前結構かわいい顔してるしおれなんて言われたら
ギャップってやつで女子ウケしそうじゃん!」


かわいい・・・・って。

男がかわいいなんて言われて喜ぶかよ。と思ったけど口に出さずにしておこう。
またからかわれそうだし。


乃李のためだってとコソっと耳打ちしてきた慎次に
それもそうか。と納得してしまう僕は
自分でも素直なんじゃないかと疑ってしまった。