そもそも僕は、彼女を好きになって、
・・・・それで、その後は
・・・・どうしたいんだ?
恋人同士になりたいとか?
それともただ彼女の笑顔が見れるだけで満足してるのかな
自分自身のことなのに全然理解できない。
今までにない感情はどうやってコントロールすればいいのか。
「おいおい、難しい顔すんなよ。お前、乃李の事好きなんだよな?」
考え込む僕の顔を覗き込んでくる慎次の目は
僕の気持ちを確かめているようだった。
「なんか、どうしたいのか・・・わからないんだ」
慎次は僕の言葉に驚きを見せた後、僕の肩に手を置いた。
「そんなの、お前があいつに好きになってもらえるように努力すんだよ」
「え・・・・。」
初めて見た慎次の真剣な眼差しに、
自分の気持ちがやっとはっきりした気がした。
そうか。簡単なことじゃないか。
「うん、彼女に振り向いてほしい」
自分にも言い聞かせるように、そう言うと
「その意気だぞひかる!俺も頑張っから!」
笑いながら拳を僕の胸にどんと突く慎次を見て、
自然と笑顔が零れた。
