「いや、僕はまだ・・・・」
「そっか~古谷くんさ、バレーとか興味ない?」
「へ・・・・?」
またしても唐突な質問に、
僕は間抜けた声を出してしまう。
「古谷くんなんか運動神経良さそうだからね、
よかったら男バレ入ってくれないかなーって」
僕の顔をうかがう様子でそう聞く彼女。
正直言って、この誘いは乗った方がいいのかなと思った。
「乃李、お前何で男バレの勧誘なんかしてんの?しかもひかるに!」
慎次は僕の顔を指さして彼女に問う。
最後は余分だろ。と少しムッとしたが、
それは言われても仕方ないかと小さく溜息を落とした。
「実はさ、男バレ希望の子に頼まれちゃって
人数少しでも増やしてほしいって」
なるほどねー。と慎次が頷くと、
彼女は期待するように僕を見てきた。
「ね!興味があったらぜひ入ってほしいんだ!
経験者だったら尚更嬉しい!」
「まあ、経験者じゃなくてもいいなら・・・・」
そこまで、頼まれて断れるほど僕も
冷たい人間だとは思われたくない。
まあ、興味本位というよりは、
彼女との接点も増えるかもしれない可能性に
期待しただけの気持ちが本音だ。
それに、僕もまだ部活はハッキリと
決まっていないかったし。
