―――ある日。
私は美桜と翔に会った。
顔立ちが日本人なのでコスプレしているようにしか見えない格好は、もう慣れた。私だって似たようなものである。ワンピースに、低いヒール靴。違うのは凝ったデザインかどうか、くらいだろう。
それだけなら別にどうってことない。いつもの通り魔物との戦いとか、そういうのだろうと思った。が、美桜が森を見て回ろうと言ってきたのである。
見て回るって、と困る私に美桜が「今から訓練みたいなことするの。薫さんも来たらいいじゃない。何かわかるかも知れないし」という。わかるかもって、とひきつった。
沢山本を読んだ。武器も片っ端から手にしてみた。けれど私には何もない。
ここに来てから、どれだけたっていると思っている?一日二日、とかじゃない。
私自身、もう諦めていた。どれだけやっても力なんて無いものは無いと。なら何が出来るのかを模索する日々。どれだけ苦しいかわかっているのだろうか。
私はもう美桜を信じてはいない。心の中で何を思っているのかを知っているから。
誘ったのだって、何かあるのではと思わせた。戦えない私を守ってくれると?
下手したら盾に使われるのではないか。殺されるのではないか。そんな不安もあった。