「ええ…」

「武器はもういいのか?」

「もういいっていうわけではありませんけど、多分使えないから変わりに、知識はと思って」




 それさえ覚えるのも難しいのはわかっている。私がもっと頭が良かったら。

 学生時代だってそんな成績がよかったわけではない。知識だけあってもうまく使いこなせる自信はない。ただの自己防衛だった。何かしていないと苦しかったから。



「…わからないことがあれば、聞け。わかる範囲で教える」



 意外にもそんなことをフェルゼンはいい、私は頷いた。あまり喋らないから、美桜や翔の護衛をしてきるルドルフらのように私のことをいいようには思っていないだろうと思っているのだが、違うのだろうか。


 私は頷き、再び机に向かった。
 それしか、出来ないから。