▼4 離宮生活





 昔から、人付き合いというか、女の子らのグループにいてもなんだかなとつまらなかった。
 空気を読み、話を合わせて、相手をおだてる脇役。順位をつけるならビリか、ビリの前。いてもいなくても変わらない。いいように使われてしまうのをわかっていて、仕方ないと諦めた。

 同い年の子がお洒落や恋、流行を追いかけているとき、私は興味こそあったがもう少し違う話題もふりたかった。
 マニアックになるのかわからないが、歴史や文化は好きだったし、読書も好きだった。けれどそんな話をしたところで、女の子ならは日々戦争をしているようなもの。生き残るには同じようなことをするのが一番だった。誰だって、一人は嫌だから。


 思えば散々なことばかりだ。
 親友なんていなかった。心から話せたことなんて数える適度。本当のことを言いたかったことなどいくらでもある。でも、本当のことをと求められていることは少ない。
 美桜と翔を見ていると、学生時代を思い出した。美桜は女子高校生らしい見た目。こちらに来た時の格好は制服で、スカートが短かった。そのためすぐ着替えさせられたのだったなと。私はズボンだったし、翔は学生服だったから着替えたのはあとのこと。



 我慢して、へらへらしても、悪いことばかりが回ってくる。不運。馬鹿やっている人の方が案外するりと抜けてしまう理不尽さ。諦め。


 ―――ここでも、そうか。


 私は誰もいない離宮にいた。離宮、というか離れ、ともいえる。昔、王族が罪を犯して幽閉されていたことがあるという。となると造りは悪くはない。むしろ良い。人に会わなくもいいから気楽だった。

 離宮には、私は自分で足を運んできたわけではない。


 目が覚めたら、ニーナがいた。そして自分がベッドにいることに気づいた。
 そしてしばらくして私や翔、美桜を喚んだあの時にいた男だと思う人物が姿を見せた。