▼3 力を持つのが普通なのか
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昔、この国は病んでいたという。
魔物という存在は、人々の生活を脅かす。魔物は狂暴、かつ人間を容易く殺害し、喰らう化物である。
魔物によって滅ぼされた集落はいくつもあった。いつ自分達の集落が襲われるか、絶えず魔物への恐怖に怯える日々。
人々は暗かった。必死に生きるため戦っていたが、疲労していた。いつまで怯えていればいいのかと嘆いた。
だがそんなとき、突然奇妙な格好をした人が姿を見せたのだという。
その人物は男だった。男はしばらく暮らしていくうちに、人々を救おうと立ち上がる。そんな男に従う者も出てきた。
当時魔物の王とされていた邪竜と男は対峙した。咆哮は呪いの声のように男に従ってきたものたちを震え上がらせた。が、男は怯えることはなく、男が持っていた力によって刃をふるう。
戦いは激烈なものであった。
男は負傷しながらも、邪竜にとどめをさす。人々はこれで平和な日々を手に入れられると思った。
しかし、邪竜は死ぬ間際に吼えた。この国の者は森を、自然を奪ったと。
我は死んだとしても恨みは消えぬ。呪ってやろうぞ。呪ってやろうぞ!
邪竜の声は空や大地に染み渡る。この地が呪われたと思われるほどだった。
その声は人々を震え上がらせ、恐怖に突き落とした。が、邪竜はそれきり倒れた。男は見事に倒せたことにより、人々なら平和をもたらした英雄とされた。