「須藤君…さっき…」

「ん?」

「私達、その…キス、したよね…?」

「うん、したね。」







恥ずかしげもなく認める須藤君。

そ、そんなサラッと!








「えっと…口と、口で?」

「うん、勿論。」

「…マスク外した?」

「うん、外したね。」








…な、なんですと⁉︎

私必死だったし、急な事で須藤君の顔なんて全く見てなかった…。

いやまぁ別に見なくてもいいんだけど、でも気になるのはもちろんで…








「美沙子、涙で視界ボヤけてたから見えてなかったでしょ?」

「…か、確信犯…?」

「まぁその内見る事になるから。」








楽しそうに言う須藤君の言葉の意味が分からず不思議に思っていると、また今度キスしようね、と意地悪く言う。

私はその言葉にボッと顔が熱くなる。

絶対、須藤君楽しんでる…!

楽しそうに笑っていた須藤君は、そうだ、と思い出したように、








「この場所教えてくれたの、千尋?」

「…う、うん。」

「そっか、詳しい事は聞かないけど、千尋の事怖いのにありがとう。」








そう言いながら須藤君は私の頬を撫でる。