次の日話しかけてみればやはりびっくりされて怯えた顔をされた。

自分から言ったくせに、付き合ってるんでしょ?と確認をすれば衝撃を受けた顔もされた。

本当に分かりやすい子だなと思ったし、面白いな、とも思った。

でも彼女は、怯えながらでも俺の目を必ず真っ直ぐ見る。

その目に俺は最初から弱かった。

その後も少しずつ連絡を取っていって、彼女のためにお菓子を買ったりなんかもした。

案外俺は簡単に彼女にハマったんだと思う。

美沙子と付き合って初めて分かった事がある。

俺は意外と嫉妬深いらしい。

名前だって、ちゃん付けとはいえ真純に先に呼ばれた事に腹が立った。

勉強会の時も、俺から直也に振ったけどあんな近くで、しかも美沙子は全く気にしてない事に焦ったし。

美沙子が連れ去られたって連絡が来た時、心臓が止まる勢いだった。

そして美沙子を見つけたと思ったらあんな格好にされて、他の男が触ってる所を見て俺は頭が真っ白になった。

俺以外の男が美沙子に触れてる事に殺意しか湧かなかった。

何より俺の器の小ささに呆れたのは、俺の知らない男と楽しそうに話している姿を見て激しく動揺した。

そしてその男の事を下の名前で呼んでいた事が悲しかった。

俺の時はあんなに即答で拒否したのに、あの男の事は名前で呼ぶんだ、と。

情けないと思った。

やっぱりどこかでずっと思っていたんだ。

彼女は俺と付き合っているのは好きだからではなく、素顔の為なんだと。