「そう言えばさ、妹の奏羅ちゃん。モテるんだね。」

「…え?」

「体育祭の時に告白されてたじゃん。」

「なっ⁉︎何でお前そんな事知ってんだよ⁉︎」








あたしは大きな声で言ってしまった後、自分の中でサーっと血の気の引く音がする。

予想もしていなかった話題に咄嗟に出てしまった…









「何で入れ替わってるのかは知らないけど、誤魔化すの下手だよね、奏羅ちゃん。」

「うっせーな!てか何で知ってんだよ!」

「ん?風の噂…かな?」









クスクスと笑いながら言う一条に腹が立つ。

風の噂なんて絶対嘘だ、誰かから聞いたに違いない。










「何でさ、男嫌いなの?」

「男なんて気持ち悪いだけだから。」

「気持ち悪い?」

「女だったら誰でもいいと思ってんのが気持ち悪い。汚らわしい。」










容姿や家柄さえ良ければ、女だったら誰でも良いと思ってる。

気持ちが無くてもキスや結婚や身体を重ねる事だって容易くしてしまう。

そういう所が本当に吐き気がする。










「まぁ確かにね。そう思ってる男は多いかもね。」

「否定しないんだな。」

「まぁね。…じゃぁさ、彼方と小鳥遊さん見てどう思うの?」









微笑みながらあたしに問いかける一条。

美沙子と須藤の事は…正直、羨ましいと思った。

あんなにお互いを想い合う人がいるんだって思った。