ダムダム…ダダン!
今は体育の授業中。
基本なんでもやってのけてしまうハイスペックな彼氏様。ネットで隔てた向こう側で、白熱する男子の試合。
ホワイトボードに、自分のチームの得点を書き込みながら、こっそり見る。勿論、視線を走らす先は…。
「うぉっ!」
「朔!」
「…ん」
これまた器用な俊くんが、コートの反対側から素早く攻め込む。そして。
ゴール下で構えていた朔のもとへと、送られたバウンドパス。
長い腕がまっすぐに伸びて、綺麗な指がボールの表面を捕らえると。
…ダンッ!
しなやかに跳んだ朔がボールを放つ。ゆるやかな放物線を描いたそれは、吸い込まれるようにリングの中へ。
シャッ
小気味いいネットを揺らす音と、試合終了のホイッスルとともに、朔は華麗に着地した。
「「「「きゃーーーーーーっ」」」」
あがるいくつもの黄色い声。
呆けたように朔から目を離せずにいた私。いつの間にか、息すら忘れていて。
「…はあっ」
溜めこんだ息を大きく吐き出す。
手を取り、歓声をあげる周りの女の子たち。友達から白のタオルをかぶせられ、口を開けて笑う朔。
朔は、いつだっていつだって。
眩しくて、私は時々目をそらしたくなってしまう。
…大きな、距離を感じて。
刹那ー


