「え、えっと…楠木くん?」 「え?!…あー、うん。」 名前を知られていたことに驚きかけて、左胸で同じように揺れるプレートを見て、合点がいく。 「ほんっとうに、ありがとねっ」 ふわっと笑う彼女は、まるで花。 さあっと吹いた秋の風。 …不覚にも俺は、恋に落ちた。