「…ちっ、どこまでかっ飛ばすんだよ、アホかくそ俊」 コロコロと逃げていく野球ボールを拾い上げ、踵を返そうとした彼。 「…ん?」 鼻に強く匂わす香り。 「金木犀?」 後ろで、自分の名前をギャンギャン騒ぎ立てている馬鹿のもとへと、戻る気が失せた彼は足を踏み入れる。 出会いの場へ