私の彼氏は猫系彼氏








岬と訪れた中庭。




咲き誇る金木犀を発見してから、私は時々そこにひとりで佇んでいた。






秋が深まり、香りが一層濃くなったある日の昼休み。





委員会があるからと、岬と別れたその足で、今日も私は中庭を訪れていた。胸には、ふたり分の地学の教科書。委員会が終わったら、岬が迎えに来てくれるらしい。






「いい香り~」






胸いっぱいに吸い込むように、大きく息を吸う。






濃い黄色





足元の土は、ひらひらと舞う花びらで埋め尽くされていて。






一際大きな木へと近寄り、その幹にこてんと頭をあずける。







「…ね、眠い」








がくんと、体から力が抜けて、そのまま意識は遠のいていく。






「…くそう、課題に追われた徹夜のせい…か」







…自業自得。