「でも大丈夫だよ!たいした距離じゃないし」



「それでもお前に風邪引かれたら俺が心配だから」



なにそれ…そんなこと言われたら勘違いしちゃうじゃん。



「てかお前に拒否権なんてなかったな。」



そう言って私の腕を引っ張った橘君。



「杏理の家ってどこ?」



「柏木町だよ」



「俺の家もその辺だから送るよ」



「ありがとう」



やっぱり橘君は優しいな。



今だって私が濡れないように傘を持ってくれてるし。