思い出の日記


「4月1日

ぼくはきょうからにっきをかくことにしました。

きょうは、おかあさんにマンガをかってもらったよ。

すごくかっこいいスーパーマンがでてくるよ。」

父の幼い字である。

気難しい父だがこんな時代もあったんだと少し笑ってしまう。



「4月2日

ぼくはきょうとなりのいえのあさこちゃんとあそびました。

ぼくはしょうらいあさこちゃんとけっこんする」


母の名前はあさこではない。
叶わぬ夢だったんだな、と苦笑いの僕。


「4月3日

にわでそだてていたチューリップがなくなった

おばあちゃんがくれたのに。

ぼくはおこっている」

父のおばあちゃんは僕のひいばあちゃんにあたる人だ。
父がまだ小学生のころなくなったといっていたひいおばあちゃん。
大好きなんだろう、怒るに決まっている


「4月4日

きょうはひさしぶりにこうえんにいったよ。

こうえんにもチューリップがあった。

かなしかった」


「4月5日

ぼくがようちえんでみずをやっていたチューリップにもはながさいた。

ぼくがほしいのはあかなのに。
ようちえんのはきいろだった。」

一日、二日では悲しみは消えないものだ。
チューリップを見る度思い出してしまう父の姿を想像する。