大きめの白いロゴTシャツを着ている。
「ねぇ、あなたなんて名前なの?」
「えっ……と、つ、ツバメ。」
「ツバメちゃん‼︎ 私は日加里(ヒカリ)‼︎ よろしく!」
ツバメちゃんは大人しい子で、
それで、風に敏感な子だった。
風が吹いたらすぐTシャツの裾を抑えてた。
そんな姿が私は可愛らしく見えた。
「日加里ちゃんは、どこから来たの?」
「家!」
「家ってどこなの?」
「…どこだろう⁇ わかんない。わかんないくらい遠いよ!」
「そうなんだ…。」
私の話をよく聞いてくれて、笑顔が素敵な子だった。
「それより、また歌ってよ!」
「……歌?」
「うん! さっき歌ってた歌! 題名なんているの?」
「題名は……ないの。あの歌はお…私が作った歌だから。」
「えーーー!!! すごい、すごいよ‼︎ ツバメちゃん歌作れるんだね!」
「そんな、口ずさんでただけだよ。」
「そんなことないよ。 私は好きだよ、ツバメちゃんの歌‼︎」
「………ありがとうっ。」
そう言うと、ツバメちゃんは照れ臭そうに下を向いて言った。