も」と言いかけるセツナに「そう一度に言わないの」とシンラ。「じゃあ、その内にね」
セツナはコクリと頷いた。
その他、タワー以外の建物もいくつか教わった。肉や魚を扱う所、織物を織る所、薬草を煎じる所に格闘技を学ぶ所に異国人の寝泊まりする施設。そして…




ナグサは長刀の道場を見せてもらった。男女構わず道場では木の長刀を振り回していた。
シンラに道場長に紹介してもらい、ナグサは棒術を習っていた事を説明してもらう。そして腕前を披露する事になった。
子供の稽古用のやや小ぶりの木の長刀を渡され、ナグサは両手を駆使しながら、それを操る。右手から左手へ。左手から右手へと振り回す勢いは木刀でも人を切れそうな勢いに、ほぉと歓声があがる。

その勢いは刀ではなく木刀である事が前提だなと道場長は言った。
器用にナグサは両手自在に木の長刀を振り回して、一息ついた。
「刃がどれだけ殺傷能力が高いか」見せてやるわと道場長が言うと弟子が人サイズの藁人形と長刀の刃を持ってきた。ふん。
一撃で頑丈そうな藁人形を粉砕して、わあっと歓声があがった。
感動したナグサは道場長に飛びついて、興奮やまない感動を抱きしめる力で伝えた。白髪をなびかせた筋肉質の道場長は、ふははははと笑った。「お前さんの型は確実性を伴わない限り」秘めなさい。とシンラに通訳してもらうナグサであった。

少し苛ついたシンラを凝視するセツナという二人をナグサは知らない。