一歩、左にスライドして後、声の主の方を見る。

黒いエプロンをしていて、両手に本を何冊も抱えていて、司書だっていうのはわかった。


……わかったけど、あまりの身長の低さに、一瞬しょ……中学生かと思ってしまった。


中学生の司書なんて聞いたことがない。
思わず気になって、さっきまでぼんやりとしか見ていなかった司書を、今度ははっきり見入った。


穴があくほど見入ってしまった……。


美人、とか。胸が大きい、とか。そんなんじゃなくて。


「『エミ』だ……」