ゆうが言っていた明後日……今日のことだけど。俺は何となく外出していた。
無性に図書館に行きたくなって、市立図書館に足を運んでいた。
別に、小説が読みたいわけでもないのだけれど……。
「すみません、そこ、どいてもらえませんか?」
平均的身長の俺でも、声が聞こえた時に、一瞬どこから聞こえたのかわからなかった。
どけ、と俺に言われているのは気配と感覚で理解した。
著者名が50音別に並べてあり、俺はとりあえず、ナツの『な』のところで、ぼーっと立っていたのだが、声の主には俺が何かの本を探している人間じゃない、と判断したみたいだ。
「あぁ、すみません」


