おそろおそろ近づくと、男性から血が出てないのが見えた。 ただ倒れているだけ? 「あ、の……」 試しに肩を揺さぶった。 目をつぶったまま、眉間にしわを寄せてうなるのが聞こえたから、生きてはいるらしい。 ほっ。 「大丈夫ですか……?」 「ん……」 男性が腕をこすりながら、身体を起こした。 もしかして、腕を打ったのかな? 「危ねぇだろ、飛び出してきちゃあ……」 男性が目をあけ、私をみると少し驚いてた。 夜遅くに小学生がいたから、びっくりしたんだろう。