「あぁ、ゆうくんとのデートはさっき終わったよ」 まだ昼の2時なんですけど。 「映画見てて思ったけど、エミとゆうくん、やっぱ合わないし」 「……」 「頭良いし、何か得るものあるかなー、って思ったけど。ゆうくんって、中身ないね。……あなた、ゆうくんの大学の友達?」 女は本をしまいながら、淡々とした口調で問いかけてきた。 「まぁ」 この女の意図が読めない。 デートが最悪だったことの愚痴を、初対面の俺に言いたいのか。 ゆうと友達である俺に。