そこにいたのはー…
「…若菜?」
「…っ!尚人…」
そこには絶対に関わりたく無かった、幼なじみがいた。
「よっよう…」
「…うん」
私はどうしていいかわからず、とにかく平常心を保っているようにしようと思った。
「…」
「…」
しばらく無言が続き、気まずくなったのか
尚人が話し始めた。
「ここいいよなーぁ。中庭の景色見えるし花とか綺麗だしなんつーか、落ち着く。」
尚人の考えはまったく私と同じだった。
「…わっ私もそう思った…。」
なぜか関わりたくなかったと言う気持ちと裏腹に口が勝手に動いてしまう。
「マジで?俺、友達にこれ言うと反対されるんだけど笑。若菜とはやっぱ気合うなー!」
久々に名前を呼ばれドキッとしてしまう。
ぁあ、この気持ちにきずいてはいけない。
私は尚人の顔が見れず顔をそむけた。
「若菜?」
何か気づいたのか、尚人が近づいてくる。
「…若菜?どうした?」
心配そうに見てくる尚人、私は顔を手で隠した。見ないで、お願い。私は頭の中でその言葉を繰り返していた。
尚人の顔が近い。
「なっ何でもない!」
顔をとうざけるため手を出したとき気づいた。尚人の顔をこんな近くで見るのは久しぶりで、改めて本当にかっこいいと思った。目はぱっちり2重で少しタレ目、髪の毛は少し茶色が入った焦げ茶色、かっこつけず自然な髪型で、少し甘い香りがする。
恥ずかしくなりまた顔を隠したくなる。
「まって」