ピロロロロー!

盛大な音をたてて私の目覚まし時計がなる。

久しぶりに昔の夢を見た気がする。

しかもお母さんもいた。

私のお母さんは、私が6歳の時にがんで亡くなってしまった。

だから私の家庭はいわゆる父子家庭。

お父さんは仕事が忙しい為、あまり家に帰ってこないし、帰ってきても夜遅い。

お父さんは、必死に仕事をして私を育ててくれる。

バイトするっ!って言っても、ダメだっ!って言い、させてくれない。

お金の心配はするな!と、言ってくれるからとても優しいのは知っているし、もちろんお父さんの事は大好きだ。

だけど、あまり無理はして欲しくない。

だって、お父さんが倒れてしまったら私は本当に独りになってしまう。

親戚は誰一人いないから。

本当に独りになってしまうんだ。

「あ!時間がヤバイ!早く支度しなきゃ」

適当にいつもどおり朝ごはんと、お弁当を作って家を出た。