恋することを知った恋


見た目も名前も素敵だな、なんて思いながらあたしはそのまま3人の会話を聞いていた。

あたしが見てることに、黒瀬先輩は気づいていない。

でも別に気づいて欲しいわけでもないし。

そう、このまま気づかれない距離から想っていよう。

あたしはそう考えながら3人から目を離し前を向き、まだステージで準備している教師をぼんやりと眺め始める。

そして何気なく、邪魔になった髪の毛を耳にかけた。


「あ」


その瞬間、黒瀬先輩の声だった。