「好き」 世界は、ピンク色になった。 いや…違う。 麻奈美があたしの目の前でキャンディを見せているからだ。 あたしがキャンディを見ているから。 ピンク色なのは世界じゃなくて、キャンディ。 あたしはゆっくり目を閉じて、時間を忘れた。 そして数秒経ってから、目を開いた。 「ほら、この飴みたいに甘いでしょ?」 麻奈美は、キャンディを食べていた。