恋することを知った恋


言った、ただそれだけのことだった。

何故か心拍数が上がる。

別に告白したわけでもなんでもないのに。

少し何かに怯えているような、あたし。

麻奈美は紅茶を置いて、あたしを見た。

スローモーションで、麻奈美が微笑んだ。



「恋?」



やっぱり名付けられた。

もう誤魔化しが効かない。

これは――恋だ。