麻奈美は相槌をうちながら、あたしの話を聞き始める。 「あたしに声かけた人、分かる?」 「え?ああ、湧太先輩に黒瀬って呼ばれてたあの爽やかイケメンみたいな感じの?」 「そう」 麻奈美にも彼の存在が伝わったようで、あたしはようやく本題に入る。 「…あの人、昨日街でたまたま会って」 「ええええ?!どういうこと」 麻奈美は持ってきていたパックの紅茶にストローをさしながら、驚いてあたしを見つめた。