恋することを知った恋


――ムカつく、ムカつくムカつく。

本性をしらない黒瀬先輩に謝れ。

仮面の姿だけ愛されてることに気づけ。

こんな女よりあたしのほうが絶対に。



絶対に黒瀬先輩を幸せにできるんだから――



あたしは怒りと悔しさで、手の震えが止まらない。

周りの客の声は全く聞こえなくて、ただ鈴乃さんの言葉だけがあたしの耳に入ってくる。

コーヒーはまだ運ばれてこない。