恋することを知った恋



――自分の口から出た言葉に、自分でも驚いた。


あたしは呼吸を整えて、麻奈美を見つめた。

もう泣かないと決めたはずなのに、あたしの瞳にはじんわりと涙がにじんだ。

麻奈美も呼吸を整えながらそんなあたしを見て、静かにそっとソファに座る。

「…なんだよ、杏里らしくないな…」

麻奈美はそう言って、視線を外した。

あたしたち2人を、カラオケの部屋はただ静かに見守っている。