恋することを知った恋




「颯斗っ」

コンクリートの上でコツコツと鳴るヒールの音を響かせながら、会社から少し離れた場所にいる颯斗に笑顔で手を振った。

「鈴乃、お疲れ様」

颯斗はあたしに気がつくと、いつもの笑顔であたしを迎え入れた。

颯斗は制服姿で、いつもの黒いリュック。

そして腕にはあたしがあげた、高級ブランドの白い時計。

カジュアルだけど爽やかで大人っぽいデザインの時計が、颯斗にすごく良く似合っている。