恋することを知った恋


黒瀬先輩に近づけば近づくほど、苦しくなった。

苦しくなることが分かっていても、それは止められなかった。

あたしはそのままクシャリとしぼんで、床に座り込んだ。

そっと流れ出した涙は次々とあたしの頬を濡らして、最後に部屋の床にポタリと着地した。

黒瀬先輩はあたしの気持ちを知らない。

あたしがどこにいてもなにをしてても想っていることを、知らない。

あたしが黒瀬先輩について知らないことはまだまだあるけど、きっと黒瀬先輩があたしについて知らないことのほうが多いね。