恋することを知った恋



「桐原、いいよ?」


――また、呼んでもらった。

黒瀬先輩はあたしを見た。

目が合う。

胸の奥が熱くなる。

また、“好き”が降り積もる。

言いたくなる、言いそうになってしまう。

でも言えないし、言わない――

「ありがとうございます…」

あたしは少し離れて、黒瀬先輩の隣に座った。