知りたいけど、それを知ってしまったらあたしは。 もっともっと、もっともっと。 黒瀬先輩のことを、 好きになってしまうから。 苦しくなって、辛くなってしまうから。 知らなくていい、確認しないよ。 ねえ、そうでしょ。 知らないほうが、いいんだよね。 あたしの視界はまたうっすらと潤んだ膜で覆われて、あたしは目に力を入れて大きく見開いた。 こぼれないように、必死になってこらえた。 あたしは振り返らずただ、この状況に気づいていない麻奈美と湧太先輩を見つめていた。