恋することを知った恋


もしあたしの胸の中に“好き”という花びらが積もっていくとしたら。

黒瀬先輩と目が合う、その一瞬で。

もうこの胸から溢れ出てしまうんじゃないかと思うくらい、積もる。


溢れそうな、あたしの気持ち。


あたしは胸の中に降り積もった“好き”をかき集める。

「あの」

でも、言葉にしてはいけない。

伝えてはいけない。

傷つくだけ、裏切られるだけ。