「えーっ!!!!湧太先輩!!!」 あたしが更衣室のドアを閉めたとほぼ同じタイミングに、麻奈美はそう叫んで体育館の入口の ほうに手を振った。 湧太先輩――? あたしもその声に驚いて顔を上げて、入口の方に視線を動かした。 「おっ麻奈美、杏里も!」 湧太先輩と、そして黒瀬先輩だった。 久しぶりに、見た気がした。