恋することを知った恋


黒瀬先輩について知ってしまったこと、そして気持ちが“恋”を越してしまったような気がしたこと。

嬉しいはずなのに、痛かったこと。

麻奈美には伝えておこう。

あたしは話を区切るように、髪の毛を耳にかける。

「黒瀬先輩のこと、ちょっと知っちゃったから」

キャンディを舐めながら、あたしはそう言った。

麻奈美はポカンとしてあたしを見る。

「また意味わかんないこと言ってるよ杏里は、何なにどういうこと?」