恋することを知った恋


誰もこんなシチュエーション望んでない。

あたしは史上最強のピンチに見舞われて、どうやってここから脱出しようかと考え出した。

「黒瀬ねー、彼女」

あ。

湧太先輩はそれだけ言って、呆れたように笑った。

教室の時計の秒針がチッ、チッと刻まれる音。

相変わらず、窓の外からは部活生の賑やかな声。

黒瀬先輩のことになると、世界は固まる。