恋することを知った恋


「あ、ごめんちょっと電話してもいい?」

びっくりした。

あたしは慌てて視線をそらす。

黒瀬先輩の、言葉だった。

「はいはい、どーぞ」

呆れたような返事をした湧太先輩に、黒瀬先輩は両手を合わせて謝りながら、笑った。

電話。

彼女?

そして、教室から姿を消した。

――いやいや、嘘でしょ。

まさかの湧太先輩と2人きり。