恋することを知った恋


チャイムが鳴った。

「やべ、じゃあまたね」

湧太先輩はあたしたちにそれだけ言って、黒瀬先輩と一緒に歩き出した。

隣の麻奈美があたしを気にしながらも、笑顔で湧太先輩に挨拶をした。

言いかけた言葉。

チャイムの音にかき消されて、黒瀬先輩と呼んでいいか聞けなかった。

あとちょっとだったのに。

まあ、いいけど。