「俺は川嶋湧太」 次に湧太先輩から声がかかって、あたしは視線を移した。 「桐原杏里です」 「おー、よろしくっ」 湧太先輩は、あたしにも笑顔で手を挙げて見せた。 「杏里もこっちおいでよ」 麻奈美が、笑ってあたしを手招きした。 「あ、うん」 あたしはそれだけ返事して立ち上がる。