「大丈夫?」
思わず話かけてしまった俺。
今にも吐きそうな彼女を見捨てるなんてできなかった。
真っ青な顔して必死に笑顔を作って
俺の方を向く彼女。
「……大丈夫です」
いや、そんな顔して言われても説得力ないし。
「いや、大丈夫じゃないっしょ?」
そういって手を差しのべる。
「保健室行くよ」
え?って顔して口をぽかーんとする。
その表情は、どこか懐かしくて
一瞬戸惑った。
俺は手をぐっと掴んで保健室へと足を進めた。
授業開始のチャイムが鳴る。
それは
僕らの止まった時間をまた動かす
はじまりのチャイム
そんな気がふっとした。

