「いえ、大丈夫です。お構いなく」



私は手を差し伸べられているのにも関わらず

それを無視して立ち上がった





「ちょっと貴女。
慧くんが優しくしてくれているのに、その態度はどうかと思うわよ」







何その言い方?


「何か私が悪いことでもしましたか?」




別に私、悪くないじゃん






「だから慧くんに対して、その態度がいけないっていってんのよ!」



なんなのもー!




「よく知らない人のことを悪く言うつもりはありませんが、その人に優しくしなければならないというルールがこの世に存在するんですか?

ましてやここは学校です。規則にそんなこと、書かれていましたか?」





めんどくさいことになってきた…








「ちょっと、ゴメンね。
この子たちも悪気があって言ったわけじゃないと思うんだ。だから許してあげて。



あれっ?君は…」



んっ?

私とは別の人物と目が合っている?






「真結?もしかしてこの人…」




「そうだよ。彼が望月慧くん」








これが彼との出会いだった