その声に気づいた西河関が
ゆっくりと近づいてくる
「これ、頼むは」
そう言って、浮き輪を私から離し
私は望月慧に抱きしめられる
トンっ…
と胸が望月慧の大きな胸板に当たると
心臓がドキドキと音を立てる
なんで…///
どうしてドキドキなんてしてるの⁉︎
「行くぞ」
ギュッとさっきよりも強く抱きしめられる
「ホントに泳げねーの?」
「うん…」
「じゃあ、この手は離さないほうがいいんだな」
仕方ないじゃん!
本当は離してほしいけど
離されたら、溺れちゃう
「水の中だったら、お姫様抱っこしても、浮力でどれだけだって持てるぜ?」
「きゃっ⁉︎」
そう言っていきなり望月慧は
私の足をすくって
お姫様抱っこをしてみせた

