アズラーイール


それ以来、数え切れないほどの人を殺してきた。

だから、もう人の命を奪うということに 躊躇いは無かった。

少なくとも、そう思っていた。

けれど。

依頼書と同封されていたターゲットの写真を見て 私は息を呑んだ。

そこに写っていたのは紛れもなく、律さんだった。

彼も職業柄 他人の怨みを買うこともある。

でも、こんな……。
律さんは 他人から死を望まれるような人じゃない。

「前金が1,000万、成功報酬が1億。
失敗るなよ。」

"分かりました" と呟き、一礼してから 退室する。