友達の定義とはなんだろうかとか、25になって思ってみる。
大概の答えは仲がいい子とか、よくしゃべる子だとかそんな曖昧な答えだろう。
じゃあ仲がいい子って?という別の課題がでてくる。だから、友達だなんて嫌いだ。

でも、でも友達、羨ましいとは人間だし思ってしまう。

人間は言い訳が通じる人を仲間にしたがる。となんかの本に書いてあった。
言い訳が通じるということはこっち側に心酔し簡単に言えば洗脳ができたということだからだ。
オレにだっていた。もう15年前になるのか。そんな前にオレだけが友達だと思っていた、やつが1人。

そいつは無愛想で静かなやつ。いけ好かなくてからかいのつもりで近づいた。
憎まれ口を叩かれ嫌味を言われた。けど、面白かった。
スキが多くて、世間知らずで、そこに割り込めば真っ赤になって怒る顔がなんだか愛らしかった。
名前はギースといった。

あとから知った。ギースは王族なんだって。王族は空樹じゃ権力がダントツに強い。
オレはギースに謝った。ギースは謝るなといった。王族の血が憎いからただの人間として扱ってくれといった。
弱った姿を初めて見た。
守らなくちゃと護らなくちゃと思った。
でも、オレも、秘密が、言えない、秘密。


「おじさんどうしたの?にゃは、考え事?らしくないな!!!にゃはっははは!!」
トモダチの思い出にふけっていた。否、ふけすぎた。背中をばしばしと叩かれた。
「てんめ、黒猫!いてぇな!!!」
怒ったらどっかにいった。…痛かった。まじめに。
ボクはなんだかんだあって空樹の中にいる。
理由は、やっぱり。
でも、ちょっとは。ちょっとは、こいつらを友達と、思って、いいのだろうか。