「眠れなかったんだ。」
鳴海の腕に力が入って体が締め付けられる。
「な…るみ、苦し…。」
「やっとお前に堂々と触れるのに、昨日はおあずけくらったからな。」
昨日の事を思い出して、体が熱くなる。
「う…ごめんなさい…。」
「お前のせいだよ。全部。」
「葉月、お前のせいで…俺は余裕なくなる。」
ドキドキしてる。
でも私だけぢゃないみたい。
鳴海の胸に顔を埋めると、鼓動がすごく早いのが伝わる。
それで、昨日の出来事が夢ぢゃないんだって実感出来るの。
「次お前に会ったら何するか分かんなくて、怖かったんだよ。」
「怖い?鳴海が?」
「お前だけは気付けたくない。大事にしたいんだ。」
鳴海の言葉は、
甘い甘い、愛の言葉。
少しの沈黙の後、私は切り出す。
「鳴海になら、何されても…いいもん。」
「お前、後悔すんなよ?」
「し…ないもん。」

