少し考えてる様子で黙っていた陽菜は、またまた瞳に涙を浮かべた顔で話し始めた。
「はづ〜…どうしよう?!陽菜すごい軽い女かもぉ…。」
りっ君は、実はとんでもない程強引な人で、陽菜にゾッコンんらしい。
あの穏和でやさしいりっ君からは想像出来ないけど。
『陽菜の気持ちが変わるまで諦めない。』
一度嘘をついたら、突き通そうと必死になる。
でも…
その嘘が少し崩れると、今まで我慢してた気持ちが一気に湧き出てきちゃう。
りっ君の気持ちが分かる。
「で、陽菜は?なんか気持ちの変化があったんだ?」
「………」
神妙な面持ちで陽菜が口を開く。
「大地の事があったばっかなのに、りっ君に惹かれてる自分がいるの。こんな切り替え早い女だとは思わなかった…。」
浮かべてた涙の粒が、不安気に震える。
「陽菜…。違うよ?陽菜が軽い女な訳ぢゃない。きっと、りっ君が魅力的なんだよ。」
陽菜が顔を上げる。
「りっ君がそれだけ魅力的なの!ねっ?真剣に向き合ってみなよ!」
「はづぅ…ありがとう。ちゃんと向き合うよ。」
その後は陽菜が興奮しちゃって大変だった。
ずっと私と鳴海の話しばっかで、朝を迎えたくらいに…。
少し照れたけど、やっぱり嬉しかった。