陽菜の家に着くなり陽菜は涙目で話してきた。
「大地にね、言ったの。昨日の夜。陽菜は本気だった事。正直に、大地が好きって事。でも…」
陽菜はうつむいた。
「でもやっぱり、陽菜は大地の友達でしかないって。」
「陽菜…大丈夫?」
陽菜は少し悲しそうに微笑みながら、あのサッカー雑誌をパラパラとめくった。
そして、落ち着いた様子で真っすぐに私を見た。
「平気…みたい。大地が…ね、恋人にする事は出来ないけど、陽菜はずっと大切な子だからって…。」
陽菜は目を閉じた。
そして目を開いて私を見て言った。
「なんかもうそれだけで十分かなって。」
前にフラれて傷ついた時とは違って、少し穏やかな、でも少し淋しい表情で陽菜が微笑む。
「頑張ったね…陽菜。よく頑張ったよ。」
て、あれ?
「りっ君は?陽菜今日りっ君に呼び出されてたよね?」
「う…。うぅ〜ん…。実はその事が一番話したかったんだけど…。」

